Contextual Inquiry
(コンテキスト調査)
自然な環境における人間の行動と動機について理解する。
コンテキスト調査とは、人々が目標を達成するために製品やサービスを使用する状況で、その行動を観察しながらインタビューを行う調査のことです。 コンテキスト調査は、生産ライン、オフィス、住宅、車内、公共スペースなど、自然な環境での人々の行動を理解するのに役立ちます。それは、行動に影響を与える外部要因や動機を明らかにすることができます。往々にして、個人はその要因や動機を認識していません。
コンテキスト調査は、あなたが創作する製品やサービスの影響を受ける人々に対して実行します。これらの人々は、あなたの製品やサービスが存在するエコシステムの潜在的なユーザー、顧客、またはキープレイヤーです。
収集した情報は説得力のあるストーリーを伝えるために、まとめる必要があります。最も興味深く、関連性のある発見内容を示すメモ、録音・録画、引用等の組み合わせになるでしょう。学習したことを使って、共有認識を構築し、意思決定を行い、新たなアイデアを生み出しましょう。
What you’ll need
- ペン
- ノート
- 記録者
- 司会者
- 参加者の行動の模倣者
- 録音・録画装置
- ディスカッションガイド
Prerequisite Activities
Downloadable Materials
準備
調査計画の作成
全ての調査またはテストは、常に調査計画から開始します。データや情報を収集する理由を理解します。手順指示とテンプレートについては、調査計画を参照してくださいと。
以下の領域の変更を考慮してください。
- 関心領域:何を理解したいですか? 参加者に達成して欲しい目標は何ですか? 参加者が何を使用しているのを見たいですか?関心領域に関連する参加者の環境、途中での成果、およびワークフローを観察することになります。ナレッジギャップアクティビティで出てきた未知の部分は、より詳細な情報を得るための起点となるかもしれません。
- 役割:他に関わっている人物は誰ですか? コンテキスト調査には3人のキーパーソンが必要です。観察およびインタビュー対象の参加者、司会者、記録および撮影担当者です。司会者と記録者は、同一人物であってはなりません。メモを取ることに気を取られて、司会者が積極的に参加者から意見を聞くことができなくなるからです。他言語の人にインタビューする場合は、通訳者を用意してください。これは、参加者が自分の言語で安心してコミュニケーションを取るのに役立ちます。
- 参加者の条件:募集する人物は誰ですか? インタビューを行う人数は何人ですか? テーマを最も理解している人物、またはテーマに関する経験がある人物を特定します。ターゲットユーザーのプロファイルに適合するユーザーを見出し、プロファイルの種別ごとに5〜8人を目指します。エコシステム内の初心者から専門家、その他のプレイヤーまで、様々なバックグラウンドを考慮します。
- 期間:調査にかかる時間はどれくらいですか? 調査は短いインタビュー段階と、より長い観測段階とで構成され、2時間程度になるように計画します。関心領域によって異なります。
- 場所と環境:調査が行われる場所はどこですか? 屋内か屋外でしょうか? 他の活動を行っている間に行いますか? その場にいるのは一人か、あるいは複数人が同時にいますか? 調査は製品が使用されている状況で行うのが最善です。参加者がその目標を達成するために製品やサービスと自然に接触している場所に行きます。
- データ収集方法:データの収集方法はどうしますか? セッションは記録されますか? 製品やサービスと接触している場面を記録し、撮影しても良いかと参加者に尋ねましょう。これは、調査の様子を思い出したり、チームと共有したりするために使用されます。記録者は、セッション中にメモを取るペンとノートを持参しましょう。
- お礼:参加者には、ささやかな御礼を渡しましょう。これは、少額がチャージされているコーヒーショップのギフトカード、もしくは商品などがよいです。
ディスカッションガイドの作成
ディスカッションガイドテンプレートを使用します。テンプレートには、あなたが利用できる質問例がいくつか含まれています。追加および特定のディスカッションのテーマ、および調査したい質問を書き留めておきましょう。
このディスカッションガイドは、会話のきっかけになり、参加者と話す前に何を話すべきかというアイデアのヒントになります。また、一般的な会話の骨組みだけでなく、新しいトピックやテーマを出現・調査するための余地もあります。ある質問からはそれほど多くの議論が発生せず、ある回答は創造性を刺激しない可能性があるため、プロセスにおいては柔軟性を保つことが重要です。 参加者から学びながら、その回答に応じて質問を更新、改善、詳細化できるように活用しましょう。
一般的な質問のフローは以下の通り:
- 自己紹介 (5 分)
- 見学 (10 分)
- 初回インタビュー (5〜10 分)
- 観察 (60 分)
- フォローアップインタビュー (30 分)
- まとめ (5 分)

参加者の募集と資材の準備
質問対象の参加者を募集します。募集方法の一部に、業者との協力、オンライン募集、各大学への広告掲示などの方法があります。研究の目的を参加者に説明し、 お礼を渡します。ユーザーからコンテキスト内で観察すること、環境と途中の成果の写真撮影の許可をもらいましょう。ユーザーがタスクを完了した時に、その感情やプロセスを表現している様子をフォローアップするようにします。
NDA (守秘義務契約書)、謝礼、記録機器等を準備しましょう。
ディスカッションガイドの試験
チームと共に、質問セッションとディスカッションガイドのテストを実施します。各自がその役割、目的、日程、ディスカッションのトピックを理解していることを確認します。
手順
現地到着
雰囲気、環境、途中の成果、ワークフロー、関係者に注目する。
紹介から開始
ディスカッションガイドを参照します。参加者に挨拶し、時間を割いてくれたことに謝意を表します。各人を紹介します。会話の意図を設定し、チームが現在ここにいる理由を説明します。この会話から参加者が期待できること、みなさんが参加者に期待することを伝えます。
安心して会話ができるスペースを確保します。あなたがそこにいる理由は参加者について知るためであり、回答に間違いはない、ということを伝えます。写真撮影やメモの目的は、内容の学習と参照に使うためであると説明します。守秘義務について説明し、口頭で同意を求めます。参加者にとっては、録音や撮影に対して不愉快でありそれらを辞退されることもあり得ます。

見学
概要の確認のために、場所の見学をお願いしましょう。許可されている場合は、興味を惹かれるものを撮影して、ユーザーについて話す際の一助とします。このような内容はチームと共有します。
会話へのいざない、容易化
トピックに関する参加者の背景について理解します。下記の質問は、制限のない自由回答式にしておくこと。
- この活動をどれくらいの期間行っているか?
- 通常、この活動はいつ行うか?
- 他に関係者はいるか?
観察と理解
最も時間を割くのはここです。観察と学習に焦点を当てます。あなたがそこにいないものとして、一連のワークフローを順に説明してほしいと参加者に依頼します。参加者には、あなたは参加者を審査するためにいるのではないと念を押します。あなたは、参加者が特定の活動をどのように行うかについて学習するために居ます。
参加者が通常行うこと、使うツール、やり取りする相手について説明している際、静かについて回ります。参加者が行うこと、またその周囲で発生することを観察します。
以下の点に注意が必要です。
- 表情
- 感情を表す音声
- 姿勢
- 身振りとボディランゲージ
- 不足を示している可能性のある回避行動
- 用途外の方法で物品を試している場合
観察の後、特定の行動や追跡についてのメモを取ります。
フォローアップインタビュー
観察に基づき、参加者に質問を行います。参加者の行動の背後にある、根本的な理由の理解を試みます。
- あなたが________したことに気づいたのですが、それについてもっと教えていただけますか?
- どうしてこのようなやり方にしようと決めたのですか?
- それはなぜですか?
- ________を使っていましたが、それを私に見せていただけますか? なぜそうしたのですか?
- _________をしたときには、どのように感じましたか?
- 何が難しかったですか?
ディスカッションガイドの質問をガイドラインとして使用し、参加者が行動に関するより詳細な情報を共有できるようにします。
インタビュー中に以下の方策を実行する。
- 記録を検証する。見聞きしたことを繰り返して、参加者の行動と理由を検証します。
- 次の質問に移る前に小休止する。参加者が発言し、各自の考えを共有することができる余地を確保します。参加者に発言を促してから12 秒間沈黙を保ち、共有までの間を与えます。すぐに遮ることがないようにしましょう。
- 傾聴する。アイコンタクトを行い、ボディランゲージで相手を受け入れていることを示します。安心させる声のトーンで話します。常に関心を維持するようにしましょう。
感謝と返礼
参加者が時間を割いてくれたことに感謝し、お礼を申し出ます。

セッション後の報告
各セッションの30 分後、まだ記憶が鮮明な内に、発見した内容について簡単に話し合います。セッションと同日内に行うようにします。観察した内容を共有します。重要点は何ですが? 驚いたことや予想外の事象はどのようなことですか? 初めて知ったことは何ですか? 役立つことは何ですか? 際立っていたことは何ですか? テーマと結論をまとめましょう。
コンテキスト調査の継続
質問ごとに、手順1 から8 を繰り返します。
データから洞察に転じる
すべてのコンテキスト調査の終了後に、その情報を理解します。これは、行動の重要なパターンを発見し、ユーザーのニーズや問題を解釈する上で重要な部分です。
まず、メモと記録から観察内容を振返ります。重要な観察と重要点を付箋に転記して、親和図を作成します。行動と動機のパターンを示す(観察の)付箋をグループ化します。付箋を丸で囲んでクラスタを形成し、ラベル付けをします。ラベルはユーザーの視点から記述しましょう。ラベルは付箋のグループの要点を捉え、その内容を要約していなければなりません。付箋をグループ化した後、ラベルを確認します。複数のクラスタ間で共有されている状態で、より大きなテーマがある場合は、それらを再グループ化して、テーマにラベルを付けます。
次に、ユーザーの意図を表す課題記述を作成します。ユーザーが達成しようとしていることを理解するために、行動のクラスタを見ます。それは彼らにとってどのような困難でしょうか? ユーザーのニーズと問題を解釈します。このフォーマットで課題記述をすると、ターゲットユーザー、ニーズ、および立証する証拠のまとめに役立ちます。機能や解決策ではなく、ユーザーの意図に焦点を当てます。
は、これを必要としています すなわち [ユーザーが達成したい目標、仕事、活動]
なぜならば [調査データから導きだすユーザーに関して根拠となる情報]
筋の通った証拠とともに、ユーザーのニーズを反映した、数多くの課題の記述が出来上がることでしょう。ビデオ、画像、引用等で補強証拠が、ユーザーにとっての問題を、説得力のあるストーリーで伝えてくれます。他の研究活動から理解したことや機会を組み合わせることも可能です。
ペルソナと共感マップを作成し、これらの人物が誰なのかを把握します。
シーケンスとワークフローを捉えるために、現在のジャーニーマップ を作成します。

発見した内容をチームと共有
気付きをチームと共有し、ユーザーに関する共有理解を構築します。望ましい製品やサービスを創造しながら、チームは情報に基づいた意思決定を行うことができるようになります。